以前「人間をお休みしてヤギになってみた結果」という本を読んだのですが、その時から読みたいと思ってました。同じ著者です。Kindle版がない(英語ではあるけど日本語はないっぽい)ので文庫を買いました。


ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)


文字通り(多少妥協しながらも)ゼロからトースターを作るという内容で、原材料採取するところからやってます。トースターを題材とした理由は…

  • 必要と不必要の境目くらいの物(あったら便利くらいのもの)
  • 著者が好きな小説の一節から

らしいです。日本だとあまりトースター(ここでいうトースターは完全にトースター焼く専門のポップアップトースターなど)って馴染みがないとは思うけど、イギリスはそうではないっぽく、トースターについて結構力説してあります。この辺りの力の入り具合は食文化とか含めたお国柄なのでしょうか。その辺りが反映されているのか、価格も安く、最安のものだと500円ほどで買えるらしい。ちなみに価格.comで探したところ1000円を切っているものはなかった

後者の「小説の一節から」は「銀河ヒッチハイク・ガイド」の5作目かららしい。その中に次のような一節があるとか。

自分の力でトースターを作ることはできなかった。せいぜいサンドイッチくらいしか彼には作ることができなかったのだ

この文の紹介の後に続けて「生活を支える基本的技術への知識が明らかに乏しい」[1]ということ「現代社会は人間を実践的能力から切り離している」[1:1]という著者の見解とが書いてあるけど、それらはトースターの制作過程でより明確になっていきます。

翻訳は「人間をお休みしてヤギになってみた結果」と同じ人で軽やかな文章で読み易いです。「アチアチのプラスチック」などというパワーワードも出てきます。


  1. p34 ↩︎ ↩︎