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サイコパスの真実 (ちくま新書)


恥ずかしながらサイコパスというのがちゃんと精神医学用語としてあると思っていなかった。創作物で出てくる類のものという認識だった。創作物でいわゆるサイコパスなキャラクターが出てくると割と冷めた目で見てしまうのですが、書籍の中で出てくる例を見る限り実際にあり得る(※ただし、本の中でも念を押して何度も書かれている通りそういった極端な例はサイコパスと言われる中でもごくごく一部)というのは驚きだった。今度から創作物でそういうのが出てきても、異なる観点で読めそう。

最初は、サイコパスについて科学的な本を書くつもりだった。それは、巷に流布しているサイコパスへの理解があまりにも脚色され、学術的な意味でのサイコパスの概念とはかけ離れたものとなっていたからだ。

原田隆之.サイコパスの真実(ちくま新書)(Kindleの位置No.2249-2251).筑摩書房.Kindle版.

上記は後書きの一部の引用だが、こう書かれている通りそういった極端な例のは始めの方に一部出てくるだけで、後はそれ以外の事例、研究の内容、人類の進化の過程的なの、脳の云々や哲学的な話などがでてくる。著者の方は一線で働き続けてきた方なので内容は具体的でわかりやすい。文章も読み易く一気に読める。

詳しい内容はセンシティブ(レッテル貼りとかにつながりかねない)と思うのであんまり書かない方が良いと思い省略するが、たまに考えることのある内容が出てきたのでそこに対してのみ感想を残しておく。

サイコパスには、神経生理学的欠陥があり、それは生得的な影響が大きいという事実に基づくと、そこから避けては通れない問題に直面する。それは、サイコパスの刑事責任能力についてである。<中略> もっと議論になるのは、精神障害者の場合である。妄想に基づく犯罪であることが精神鑑定などによって明らかになった場合、罪に問われないケースがある。それは、本人の自由意思による犯行ではなく、病的プロセスに基づく犯行だからである。

原田隆之.サイコパスの真実(ちくま新書)(Kindleの位置No.1960-1968).筑摩書房.Kindle版.

この辺り(責任能力と罰則)に関して、自分は昔はどちらかとういうと厳罰派だったし、いわゆる精神衰弱による…とかいうのがあり得ると思っていなかったし理解もできなかった。のだけれども、今は違う…と…思う。少なくとも、病的あるいは脳の何らかが機能しなかったことによって、いわゆる正常な判断ができない(あるいはできなくなった)ということはごくごく普通にある。し、自分がそうなる可能性も大いにあり得る。というのは今は理解している。

例えば先日コロナウイルスの存在を疑うアメリカ人がコロナパーティを開いて感染して亡くなったというニュースがあった。亡くなった本人は実際に感染するまでコロナウイルスは存在しないと思っていたが、感染後亡くなる前に過ちに気付き後悔するというような内容だった。

こういうのを見聞きして思うのは、自分も含めて結局人間は体験したものしか真に理解できないんだなぁと思った次第。おわり。