少し前に松本次郎さんのマンガいちげき読んだというのを書いた。これの原作が幕末一撃必殺隊なわけですが、マンガにするにあたってどれくらい原作から変化させるのだろうか?という疑問が湧いたので読んでみた。あと短くてすぐ読めそうだったのと安かったというのもある。


新装電子版 幕末一撃必殺隊


いちげき (1) (SPコミックス)


漫画版はまだ完結してない。残り一巻らしい。

漫画版が一撃必殺隊の発足~解散~丑五郎のその後を描いているのに対して、原作は大政奉還の一連の流れが描いてあり、その話の中心に一撃必殺隊がある。という感じだった。それ以外の話も含まれている。文量的には一撃必殺隊で半分かそれ以上を占めているかくらいだった。原作では隊の発足の経緯で第一章が終わるが、漫画版はそこも端折っている。

これはおそらく原作の全部を盛りこんだら話が散漫になるから、漫画版は完全に一撃必殺隊の活動のみに絞ったのだと思う。原作では一撃必殺隊の実際の活動は結構端折って書かれているが、漫画版は原作の話を切り貼りしながら(特に戦闘、生活、訓練シーンの)ボリュームをかなり増やして描いてある。

原作版の丑五郎は一登場人物レベルだが、漫画版は主人公だけあって頭がまわるキャラクターに設定してある。また、島田も丑五郎の師匠的ポジションなので切れ者だが原作では多少目立つ一登場人物くらいでしかない。逆に勝海舟は丑五郎と直接的に関わりのないキャラクターなので原作との扱いの違いに驚いた。原作では事実上、勝海舟が主人公だが漫画版は完全脇役。漫画版でライバルに収まっているキャラクターも原作では超絶脇役なので驚いた。

原作は大政奉還の流れを描くが、漫画は主人公を設け、師匠を設け、ライバルを設け、さらに黒幕の存在も匂わせている。話が散らからないようにドラマチックにするために一つの軸に絞り込んでキャラクターに役割を与える、ああ、なるほど、漫画で書くとなるとこういうふうに切り取るのか。という発見と思った以上に大胆な改変をするんだなぁというのがわかって面白かった。

なお、原作著者の永井 義男さんは歴史評論家ということあってか、史実に上手いことフィクションを混ぜて話を展開させていくので原作は原作で面白かった。