最近読んだ本をまとめて感想書くシリーズ。

この間、むらさきのスカートの女を読んでよかったので今村夏子さんのを3冊読んだ。


あひる (角川文庫)

こちらあみ子 (ちくま文庫)

星の子 (朝日文庫)


「あひる」「こちらあみ子」は本のタイトルにはなっているものの、ともに短編が3作ずつ収録された本だった。

どの作品も共通しているのは純粋無垢な存在(登場人物)を中心に、いままで続いていたものや生活が徐々に崩壊していく(良い悪いは別として、変化というほうが正しいかもしれない)という展開の仕方をするという点。「星の子」を除いては言い表しがたい非現実感が入り交じっており何とも言えないふわっとした不気味さのようなものがある。「星の子」は新興宗教にはまっていく親を持った子供の生活を本人の視線でただただ淡々と描いていく物語で、唯一そういったふわっとした不気味さがなかった。ものの、崩壊というか変化していくという点は共通していた。

「星の子」は中学時代が長い。自分の中学生活は恵まれていたと思う(今でもそこが一番良かったと思ったりするんだけど)というのもあってか、中学校の時の生活や情景を思い出しながら読んだ。もうあの時の先生の年齢とか越してるんですよ。おかしくないですかね。

純粋無垢な存在に対して悪意を持った存在が登場するのも共通しており(そうしないと話が成り立たないだろうし)その辺りの悪意や人間社会・人間関係の厳しさというのが(多少誇張されているとはいえ)ストレートに書かれているので読んでいて割と苦しい。要するに人生は厳しいし辛い。いや別に厳しいとか書かれているわけじゃないんだけど厳しい。そんな感じで厳しい。

どれも「むらさきのスカートの女」ほどのぶっ飛んだ感はなかったものの、読み応えがあってよかった。厳しいけど。


しろいろの街の、その骨の体温の


少し前に読んだコンビニ人間がよかったので、著者の村田沙耶香さんのものも1冊読んでみた。

こちらは登場人物の年代的に「星の子」と同じく、中学生時代が長い。主人公がコンプレックスから解放されていく物語をスクールカーストを織り交ぜながら描かれるんですが、その描写がいろいろな意味で刺さって痛い。スクールカーストの表現はたぶんかなり大きく誇張されて描かれている(少なくとも自分の学年はそういったものと無縁だったような気がするのでわからん)ものの、人間の悪意をこれでもかというほど、ありったけ詰めたような内容で読んでいて厳しい。次に、コンプレックスの慰め方や感じ方、これは自分も経験があるし、今でもそういったものが尾を引いているのは自覚しているので見透かされたようで心が沈んだ。人生は厳しい。