2019年早々に今年のベストセラーとの呼び声高い本だったので買ってました。3ヶ月くらい積みっぱなしだったのですが、読み終えたので雑に感想を書きます。

この本では〇〇本能という人間の本能というか心理学的なアレなやつに惑わされずに世界や日常生活を正しく見るにはどうすればいいのか?ということが書いてあります。超絶ザックリ書くと下記のような感じです。

  • データをみること(ソースをあたること)
  • データを正しく比較すること
  • データはアップデートし続けないと意味がない
  • エライ人も専門外のことは知らない
  • 常に冷静でいること

まあ、たぶんこんな感じだと思います。流石にベストセラーと呼び声が高いだけあって、非常に良い内容でしたし読んでおいて損はないのではないかという気がします。以降雑に感想を書いていきます。

よかったところ


まずよかったところから。

筆者が人を信じているというところ

知らなかった様々な統計を知ることができたというのはもちろんなのですが、個人的に最もよかったのは筆者のハンス・ロスリング氏がとにかく人を社会を信じているという点にありました。これこれこういうデータで良い方向に向かっている。とか筆者の実体験でもとにかくご本人のお人柄が伝わってきます。全体を通じて常に前向きなのは読んでいて心地よい、何か爽やかな感じというかそういったものがありました。

筆者の実体験

全体を通じて筆者の実体験の分量がかなりあります。データの中に実体験をちりばめることで全体的に説得力が増していたと思います。各々のエピソードは読み応えがあり、この本の魅力の一つであると思います。

各種データについて

ある種、この本の一番の売りの部分だと思う各統計データは提示されたものをそのまま見る限り[1]は自分が知っている知識とは大きく違った世界がそこにはありました。多くの人はそこに驚くのではないかと思います。ただ、筆者が言いたかった本質はもちろんそこではなくて、この本の中ではデータの見方についていくつか方法が述べられます。最初の方に書いた通り、これは大まかに下記のような感じだったと思います。

  • データをみること(ソースをあたること)
  • データを正しく比較すること
  • データはアップデートし続けないと意味がない

結局、正しい情報を基に自分で冷静に判断しましょう。ということが言いたいのだと思います。

また、これらのデータが公表されていおり、誰でも閲覧可能であるということを知ることができたのは良かったです。私は実際に出典先まで確認はしていませんが、こういうのは「そういった情報がある」というのさえ頭の片隅に持っておけば後は必要な時に調べればよいので。

ちょっとどやねん?と思ったところ


もちろん内容が素晴らしかったからといって、多くの場合は全てを手放しで絶賛ということは往々にしてあり得ません。ので、以降個人的に「どやねん?」と思った点について書いていきます。

減り続けている16の悪いこと・増え続けている16の良いこと

第2章のネガティブ本能の部分で「減り続けている16の悪いこと・増え続けている16の良いこと」という項目があるのですが、これの選定基準がイマイチわかりませんでした。特に死刑制度が悪い側に入っていたのは日本人としては結構???な人が多かったりしたんじゃないでしょうか。とか、増え続けている良いことに「一年に作成される映画の数」と同じく「音楽の数」がありますが、これ必要だったのでしょうか??文化面での発展を示したかったのではないかと思いますが、理由が載ってないのは正直どうなのかと思いました。

ただ、いちおう「紙面の都合上…」という記述はあるので、紙面の都合上チャートだけ載せたというのはわかります。わかるんですが、中途半端に載せるくらいならバッサリ省略してもよかったんじゃないかと思いました。

筆者の実体験が…?

筆者の実体験は確かに非常に効果的で、心打たれるものも多かったです。なのですが、ちょっとあまりに出来過ぎていると感じたのはたぶん私だけではないと思います。確かに筆者はひたすら努力と苦労を重ねながらも前向きに生きた非常に経験豊富な人のような印象を受けます。世界各国を周って(ちなみに医者です)で私の何百倍もの経験をお持ちだとは思います。思うんですが、各エピソードが本の言葉を借りていうならドラマティックで、正直本向けに若干盛ってるのではないかと思いました。その方が読者も読み易いとは思いますし。まあ、これは私がひねくれた人間だから余計そう感じたのかもしれません。

ちょっと性善説に寄り過ぎなのでは

良かった点で書いた通り、筆者が人を社会を信じ、本の中で常にその前向きさを感じることができるのは素晴らしかったと思うのですが、ちょっと性善説に寄り過ぎではないかと感じました。「○○という人も××をよかれと思って広めているんだ。そこに悪意はない。」とかそういう感じの記述が要所であります。私自身も他の人を信じたいとは思っていますが、反面、世の中の人がそこまでできた人間ばっかりだと思ってないですし、どうしようもない悪意を持ったアレな人なんて山ほどいると思っているので、何回もこの主張を出すのは正直どうなんかな~と思いました。(マイナスで書かないスタンスなんだろうなというのは理解できるんですが)

その他


Kindleだと残り何パーセントか表示されますが、本体の部分は80%くらいまでで、残り20%は出展や謝辞などです。ただ特に出典は面白そうなものもあったので、どこかで読む機会があればと思います。


  1. 出典を当たってないので本をそのままうのみにします ↩︎